公開日時 : 2013年06月08日
娘の結婚式までのあと1日。 いよいよ明日。
45歳。中間管理職。
すべてにおいて、平均以下。
そんな中の下おやじの娘は、明日結婚式を迎える。
そんな中の下の娘は、泣かない。
そう育ててきた。
泣いたら負け。
泣くのは、汚い言い訳だ!
そう言い聞かせてきた。
鬼である。
そう言っている私も当然ではあるが、泣かない。
が、娘と息子に一度だけ涙を見せたことがあった。
祖母が死んだ時だ。
ずっと可愛がってもらった。
一番可愛がってもらった。
おばあちゃんが倒れ、意識がないまま入院。
「おばあちゃん。また来るからね。頑張れよ。」
耳元でおばあちゃんに語りかけ、病院を後に。
病院が、少し遠方だったこともあり、なかなか病院へ行けなかった。
入院から、何日かたったある日、仕事で、病院の近くまで行くことになった。
上司に、「少し時間をもらって見舞いに行ってきてもよろしいですか?」と話し、
上司も、快く承諾してくれた。
病室へ行き、
意識の無いおばあちゃんに
「おばあちゃん。お待たせ。来たよ。」と語りかけた。
病室には、もう一人、私の従姉が看病に来ていた。
その従姉と10分程話をしていると、祖母の様態が急変。
そのまま、帰らぬ人に。
そこでも泣かなかった。
なんとなく、泣いたらいけない気がした。
お通夜が終わり、
お葬式。
火葬のときだった。
一気に悲しみが吹き出し、大きな声で、「うっ!」としゃがみこんでしまった。
小さかった娘と息子が、
「パパ、大丈夫?私たちがいるよ。」って。
初めて見る父の涙に、心配してくれた子供。
もう涙は見せないと決心。
明日・・。
明日・・・・。
涙の種類が全く違うこの出来事に
はたして我慢できるのか?
俺。
泣くなよ!
俺。
もしかすると、泣いてしまうかもしれない
娘の式は、いよいよ明日。